母親の罪悪感
「今日こそ子どもを怒鳴らないぞ!」と決意したのもつかの間。
学校から帰宅した子どもはいつものように振舞います。教えてもいない酷い言葉遣い、兄弟に乱暴をする、脱ぎっぱなし、食べっぱなし、宿題をしない、ゲームばかりしている、提出物を出さない。
あなたは忍耐強く対処しようとしますが、こころの中のマグマが静かに活性化し始めます。
怒りが込み上げてくる事を必死でこらえますが、同時にこんな声も聞こえてきます。
「この一言だけは言ってやりたい!」
強い強い誘惑が囁き始めます。
でも待てよ、いつもこれで失敗するのは分かっているし。
絶対に今日は怒鳴らないって決めたのんだから。
でも「一言だけは言ってやりたい!!!」誘惑は大音量となってあなたを誘います。
そしてついに「こらーーーーーーーー!いい加減にしなさい!!!!」と大爆発!!
一言のはずが何かに乗っ取られたかのように延々とお説教が始めります。しかもありえないほどぶっちぎれて。こんな自分他の人には絶対見せられない、、、と頭のどこかで思いますが、狂ったように怒鳴り続ける、、、。
そしてその後やってくる酷い自己嫌悪。罪悪感。
本当は怒鳴りたくないのに、もっと楽しい家族が理想なのに、周りのママさん達はみんなとても優しそうに見える、、、子育てが辛い。本当は逃げ出したいけれどさすがに出来ない。どうしていいか分からない。こんな経験していませんか?
子どもに怒鳴った後とても落ち込む、つい子どもに手をあげてしまうなど、
子育てをしていると感情をかき乱される事は多々あります。
普段穏やかな人ほど、感情的になると落ち込む傾向にあるように思います。
このようにママが自分を責めてしまう事は、よくあるケースであなただけではありません。
私も娘が1歳を迎えた頃から学童期が終わるまで何度となく自分を責めました。
娘を愛せない自分ってなんて酷いのだろうか。
怒ってばかりで自分はなんて酷い母親なんだろう。
人として私はすごくダメだ。
日々こんな風に思い、自分を責めていました。
私がこんなだから娘の癇癪は治らないんだ、と、すっかりマインドは悪循環のパターンにはまっていました。
罪悪感は重く苦しい感情です。
あなたのエゴはあなたが罪悪感で落ち込むことを望んでいます。
なぜならエゴは愛と逆の働きをするからです。
では、あなたに出来る対処はどれでしょう?
1、子どもに接する時間を減らすため仕事をする
2、他の人に叱ってもらう
3、厳しい躾で有名な習い事に通わせる
4、家族で旅行に出かけ気分転換する
5、実家の両親にしばらく預ける
実はこれ、うまく行ったとしても根本的な解決になるものではありません。
なぜなら、あなたの外側に見える事柄を変えようとしているから。
根本的な対処方は、あなたの内面に目を向けることです。
こころを整えることで、起きてくる現象は変化していきます。
では、もっともっと愛に溢れた慈愛に満ちたママになるにはどうしたら良いでしょう? エゴを排除するのでしょうか?
いえいえ、違います。
愛せない時もある。と潔く認めること。
そしてそれでいいのだと、あなたがあなた自身に思えるかどうかです。
これはあなた自身を甘やかせることではありません。
私は、愛せない時もある、そう思っていいのだと思えた時に心底ホッとしました。
そして、その安堵の体験を何度も何度も繰り返すことになります。
そうこうしているうちに私の中の落ち込みは消えていきました。
私は全く酷い母親ではなかったと霧の晴れた見通しのきく世界で感じたものです。
母親の罪悪感は悪循環を作ります。
あなたが酷い人間だなんて、全くの幻想ですが、罪悪感の霧の中にいる時にはそうは思えないでしょう。
罪悪感は手放す事ができます。それは罪悪感がある、と認めた時に速やかに消えて無くなっていきます。